世界を変える持続可能な開発目標「SDGs」
世界の未来を変えるための17の目標を設定した、持続可能な開発目標「SDGs」は、193の国連加盟国の全会一致で採択され2016年1月1日から発効しています。日本政府もこの考えに則り、日本独自の活動を展開し、2030年の目標達成をめざして積極的に展開を続けています。
向陽台高校でも、スクーリングに積極的に「SDGs」を取り入れる活動を推進してきました。昨年度の第Ⅲ期のスクーリングでは、日本文化論の一環として『日本文化とSDGs』というテーマで、人類史上稀有の循環型社会をつくり上げていた江戸時代の生活を取り上げてSDGsとの関りを分かりやすく解説しました。受講した生徒たちからは、“SDGsを身近に感じられるようになった”、“できることからSDGsを実践してみたいと思う”などの声が寄せられ、「SDGs浸透」の成果がみられました。
ウイズコロナのキーワード「SDGs」
緊急事態宣言が解除された後も新型コロナウイルス感染は拡大を続け、わが国でも宣言下での感染者数を上回る人々が陽性となっています。世界レベルで見てもすさまじい速度で感染が拡大しています。そんな中、マスクの着用や手洗いやうがいの徹底、ソーシャルディスタンス維持など3密防止の厳守が求められるという“新しい生活様式”により、私たちの暮らしは一変しようとしています。また、新型コロナウイルス感染による健康問題だけではなく、自粛生活による経済低迷問題やコロナ関連のゴミの増加による環境問題など、コロナ禍にまつわるさまざまな問題が表出している状況にあります。
このような状況の下、健康や環境と経済を両立させながら新しい社会=誰もが豊かに暮らせる社会づくりをめざす「SDGs」の存在意義が高まっていると考えています。特に、これからの時代を担っていく高校生に、「SDGs」を伝えていくことが求められていると考えています。
日本文化講座で「SDGsと日本文化」の講座を開始
向陽台高校では、今回のスクーリング再開を機に、昨年度Ⅲ期に続き「SDGs」の授業を執り行っています。講義を担当するのは、日本史の高橋陸先生。第一講では、“地球の肺”ともいわれるアマゾンのジャングルの伐採状況や海洋でのマイクロプラスチックによる生物存続の危機、温暖化による海面上昇による影響、アフリカでの貧困の現状などの地球がおかれている環境問題を解説しながら、「SDGs」の17のゴールの概要を伝えました。そして、生徒たちと同世代である環境活動家グレタ・トゥンベリさんの国連でのスピーチの動画を見てもらい、その感想をレポートにしました。
受講した生徒たちは“持続可能な開発目標について当事者意識が持てるようになった”、“今まで、なんとなくスルーしていた問題について考えるきっかけになった”などの感想を持ってくれたようです。第二講からは、江戸時代の循環型社会を伝えながら、日本人のDNAともいえる「SDGs的な思考」を具体的に解説していきます。
2030年には、社会を支える中心的な存在となる高校生に、今からしっかりと「SDGs」について学んでもらうことは、とても意義のあることだと考えています。種を蒔き、芽を育てていく。そんな想いを持って、「SDGs」の講義を続けていこうと考えています。引き続き、よろしくお願いします。