日本文化を通してSDGsを学ぶ③

第二回目の講義から一週空けて
2020年2月19日(水)の3限から4限にわたり、
日本文化論「日本文化を通してSDGsを学ぶ」の
第三回目の授業が行われました。
今回のタイトルは『のれんと老舗とSDGs』。
世界有数の長寿企業が存在する日本の経営理念を紐解いて、
持続社会づくりを学ぼうという趣旨で授業を展開しました。
まず、3限では、最近数多く繰り返されている企業の不祥事を
リストアップするとともに 企業幹部による謝罪会見の様子を
ニュース映像で確認しました。
続いて、最近の経営者と昭和の経営者との比較を行い、
社会学で規定されている共同体の概念である
「ゲマインシャフト=共同社会」と
「ゲゼルシャフト=利益社会」についての
解説がありました。
この「ゲマインシャフト」こそが、
日本が長寿企業大国に成り得たポイントであるという指摘があり、
2万社に上る100年企業の実態と
1400年続く世界最古の企業「金剛組」の紹介がありました。
続いて、日本に長寿企業が存続する理由として、
①「日本の地勢・気候・風土」:大海に孤絶した離島、温暖で多雨、
 狭くて変化に富んだ地形、
②「日本人の思想」:共存共栄を求め、思想を雑居させることができた、
③「日本人の商業観・企業観」:金儲けではなく社会的意義を求め、
 代々受け継ぐ家業と捉え、自己実現の場と考える、
の3つの理由が提示されました。
その後、「明確な使命やビジョンを持っている」
「事業を長期的視点に立って経営する」「人間経営」など、
企業永続のための8つの法則が紹介され、
3限を終えました。

4限は、江戸時代に日本の商道を大成したといわれる近江商人の
“売り手よし、買い手よし、世間よし”を謳う「三方よし」を紹介。
併せて、「商売の心得十訓」の解説もありました。
その後、近江商人と並んで評価されていた
松阪商人の一日の様子を映像で鑑賞し、実感を得ました。
最後に授業のまとめとして、
これからの日本のビジネスとSDGsをつなぐキーワードとして、
前述の「三方よし」に“未来よし=持続循環”の考えを加えた
「四方よし」が提案されました。

映像を使ってよりリアルに伝える授業の様子

受講生からは、
「好きなこと、自分が納得して働ける仕事でないといけない。
 働きがいが、職員にも企業にも大切だと思う」
「金儲けではなく、商品をいかに工夫して作り、
 買う人が使いやすくなるのかを考えて作るのが大事だと思う」
「考えに考えて技術を開発し、習得し、
 代々受け継いでいくことが求められている」
などの学びがあったとの意見が寄せられました。
利益を求める「ゲゼルシャフト」への傾倒が
招いたのかもしれない企業不祥事。
SDGs的な企業経営には「ゲマインシャフト」への意識が
大切であることを学んだ授業でした。

さあ、次は、最後の講義です。乞う、ご期待。

担当教員:高橋陸 講師:森壹風


Author: koyodai-tsushin

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